世界がますますグローバル化・ボーダレス化していく21世紀にあって、我が国がより質の高い国際的交流・協力を築いてゆくためには、諸外国の言語や文化、歴史の理解はもとより、国際的な交流や協力の意義、それに内在する諸問題をも深く理解し、かつ高度の専門的知識を有する研究者や実務者を養成することが根本的に重要な課題となっている。
学問としての「国際文化」研究は今だ萌芽的な研究段階にある。国際文化研究科は、21世紀現代世界において求められている地域文化・言語・社会構造の解明、異文化間の相互理解、人類の恒久的平和共存のあり方、地球規模の環境・資源問題の解決などの実践的諸課題に応えるためにも、その理論的枠組みを科学的に追及し、常に変容していく国際文化の諸相を的確に捉えることができる新しい学問の確立を目指さなくてはならない。