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概要

ABOUT

地球規模課題の解決に向けて、国際的に具体的な対策と合意が求められていますが、国内外における社会・経済・環境問題は多様、かつ複雑になりつつあります。従ってそれぞれの地域や国が抱えている問題をお互いに理解し、協力していく視点を身につけるには、「国際文化」のような分野横断的な考え方が重要です。

東北大学大学院国際文化研究科は創立32年目になる独立研究科として、分野横断的な研究・教育を行っています。本研究科では、新しい学問領域として「国際文化研究」を確立すべく、「地域文化研究系」、「グローバル共生社会研究系」、「言語総合研究系」という3つの大きな研究系を柱にして、地域文化の理解、異文化が出会う環境の中で生じる地球規模課題の解決、そして、精神文化の中心に来る言語の本質の探究から効果的な言語教育への応用をめざす研究を積極的に推進してきました。研究科創立以来、人文社会科学、自然科学分野を問わず、様々な分野で活躍する人材を育成しており、国際文化研究科修了生の多くは、国内外の大学や研究機関、公的機関や地方公共団体、民間企業、国際機関、市民団体などで活躍しています。

2024年12月、東北大学は、日本初の「国際卓越研究大学」に認定されました。国際文化研究科は、「国際卓越研究大学」に相応しい成果を発信していくために、多様な社会課題と学問領域の研究テーマを扱っており、大学院講義と研究指導を日本語と英語で行っています。また、幅広い専門分野と多様な社会経験を持つ多国籍の教員による論文指導を通して、「国際文化」をキーワードとする新しい融合系研究分野を開拓し、国際社会に貢献することを目指しております。そして、本研究科は留学生の在籍率が非常に高く、多数の女性研究者を擁しています。このように多様な文化や言語に触れ、外国人留学生との交流の機会が増え、自然に国際的な感覚と柔軟な思考を身につけることができます。

国内の少子化、高齢化が急速に進んでいる中、東北地方は消滅可能性都市が生まれ続けており、国際的には、温暖化による気候変動、自然災害の頻発、戦争や紛争が絶えない状況です。国際文化研究科は、これからも東北大学の建学以来の伝統である「研究第一」と「門戸開放」の理念、そして「国際文化」の視点を大事にし、持続可能な社会形成、地球規模課題解決に貢献できる人材育成を進めて参ります。本研究科は多様な文化や学問領域に触れる機会を得るために大学院進学を目指している若い学生だけではなく、豊富な経験を持つ社会人、国際共同研究を望む研究者、産学官連携を希望する企業や自治体に常に開かれた場所です。皆様の新しいチャレンジをお待ちしております。

東北大学大学院国際文化研究科長
劉 庭秀