研究スタッフ紹介
佐藤 雪野
複数文化・言語空間としての中欧の歴史と現在からグローバル化する現代世界における民族共生を考える
グローバル共生社会研究系
多文化共生論講座
准教授
― 研究の内容を教えてください。
両大戦間期のチェコスロヴァキアにおいては、第一次世界大戦前のハプスブルク帝国下で優勢であったドイツ系住民と、独立後の新国家の主要民族となったチェコ系住民との間で力関係の逆転現象が生じました。その中で、両民族の対立はしばしば指摘されてきましたが、実際には両者が協力する事例も多く存在しました。民族間の協調の例は、より少数者であるユダヤ系やロマ系住民と多数派住民の間や、少数者間にも存在しました。複数民族の共存は現在においても困難な課題ですが、歴史上存在した良好な事例を探ることで、現在及び将来にわたる世界各地の民族共存の条件を見出すことができるでしょう。具体的には、チェコ系とドイツ系の大土地所有者が共通の利害のために協力した事例や、ナチの迫害を受けたロマ系住民をチェコ系住民が守ろうとした事例などを検討しています。 そのほか、現代ヨーロッパ各地のロマの現状、歴史と文化や、日本とチェコの交流史、現代チェコのマイノリティなどについても研究しています。
― その研究を始めたきっかけは何ですか。
最初にチェコスロヴァキア(当時)に関心を持った(意識した)のは小学生の時です。詳細はお問い合わせください。
― 研究室(講座)のアピールポイントを教えてください。
民族問題は困難な問題ですが、興味深い有意義な課題です。幅広い事例研究を積み重ねることで少しでも問題解決に近づくことを目指しましょう。 他文化、他民族を知ることは自らを相対的にとらえることにつながります。自分のアイデンティティについても考えることができます。 ロマ文化を体感すべく、実践的にも活動しています。体験希望者も歓迎いたします。
研究のキーワード
中欧地域研究、チェコスロヴァキア史、ナショナリズム
主な著書・論文など
下記「東北大学研究者紹介」をご参照ください。
東北大学研究者紹介
http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/3bdadcfd7acffeffc26387a1a0bb62f4.html