本研究科教員が韓国・中央大学校を訪問
去る11月24日(金)、韓国の中央大学校(ソウル)において、「韓日文化研究のグローバリゼーション—文化の交流と融合—」と題するシンポジウムが行われ、東北大学から3名の教員が招待され講演を行った。主催は中央大学校韓日文化研究院日本研究所で、本学から参加したのは、国際文化研究科の佐藤勢紀子教授(言語文化交流論講座)、佐野正人助教授(アジア文化論講座)、情報科学研究科の関本英太郎教授(メディア情報学講座)である。
中央大学校は1918年に設立された名門私立大学で、18の学部と15の大学院があり、現在約30000人の学生が在籍している。特に映像・演劇分野では韓国で最先端に位置し、日本研究の拠点校としても有名である。 本研究科では、平成16年度より中央大学校との交流を開始し、今年2月には情報科学研究科との共催で同校から朴銓烈(パクチョンヨル)教授(日語日文科)、李忠稙(イチュンジク)教授(先端映像大学院)を招聘、公開講演会を開催した。今回のシンポジウムは、そのような経緯をふまえて実現したものである。
シンポジウムでは、最初に朴銓烈教授による「日本の文化立国政策とネオジャパネスク」と題した基調講演があり、その後、「日本人とのコミュニケーション—断り表現の使い方—」(佐藤)、「日本のマスメディアを問う」(関本)、「韓流をめぐる日本の状況のスケッチ」(佐野)の順序で講演が行われた。中央大学校日語日文学科の教員と学生を中心に50名ほどが参加し、講演ごとに熱のこもった質疑応答が行われた。
今回の訪問では、黄潤元(ホアン・ユノゥン)副学長(国際交流担当)、国際交流部長の朴奐栄(パク・ファニョン)教授とも会見し、今後の交流においては教員の専門分野での継続的な研究交流が重要であるとの認識で一致した。学生交流についても、朴銓烈教授より、現在国の予算で行われているBK21(Brain Korea 21)プロジェクトの一環として、来年度以降に東北大学で院生の合同研究発表会を開催したいとの意向が示された。 国際文化研究科では、来る2月3日に、「東アジアにおける日本研究—言語・文学・思想—」と題して学術交流フォーラム(公開)の開催を予定しており、中央大学校の任栄哲(イムヨンチョル)教授(社会言語学)、漢陽大学校の尹相仁(ユンサンイン)教授(日本文学)、中国社会科学院の?頴(キョウエイ)副研究員(日本思想史学)の3氏による講演会を企画している。今回、任教授はあいにく訪日中で面会がかなわなかったが、尹教授とは歓談の機会を持つことができた。今後の国際交流の推進に向けて、さまざまな意味で有意義な韓国訪問であった。
(国際文化研究科国際交流委員会)