研究スタッフ紹介
佐藤 透
既存の学問が直接扱わず、しかも人間にとって重要な意味を持つ諸問題を考究すること、それが哲学です。
グローバル共生社会研究系
多文化共生論講座
教授
博士(文学)
― 研究の内容を教えてください。
近・現代の哲学・倫理学を広く研究しています。特に時間を巡る問題は、私の研究の出発点でもあり、今日でも関心を持ち続けている問題です。時間は、自然科学で問題になるだけではなく、人の誕生や死、人生の意味といった人間的、社会的な問題とも深く関わる哲学最大の謎の一つなのです。また、最近では、美や芸術を巡る問題にも集中的に取り組んでいます。美や芸術の希求は人間特有の事柄であり、それらの本質の探究は、人間自身の本性を考えることをも意味すると思うからです。私の研究生活は西洋哲学の専門的研究から始まっていますが、そうした哲学と自らの文化的基盤である日本や東アジアの思想を比較して、両者の特性を見極めることにも大きな関心があります。
研究のキーワード
哲学的時間論、現象学、ベルクソン哲学、美学・芸術論、比較思想
主な著書・論文など
【著書(単著)】
『質的知覚論の研究ー世界に彩りを取り戻すための試論』東北大学出版会、2021年
『美と実在―日本的美意識の解明に向けて』ナカニシヤ出版、2016年
『人生の意味の哲学―時と意味の探求―』春秋社、2012年
『時間体験の哲学』行路社、1999年
【論文】
「時間論から見たキリスト教と浄土教―「実存論的終末論」と「平生業成」―」(東北大学大学院国際文化研究科ヨーロッパ文化論講座編『ヨーロッパ研究』第6号、2007年、所収)
【訳書】
ジョン・フォージ著『科学者の責任―哲学的探究―』産業図書、2013年(渡邉嘉男氏と共訳)
サイモン・クリッチリー著『ヨーロッパ大陸の哲学』岩波書店、2004年
*その他は、東北大学研究者紹介を御覧ください。
東北大学研究者紹介
http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/7b9c9cd15ee14a5517e368fe3a791937.html