東北大学大学院国際文化研究科
   同 窓 会 会 報 第2号

編集・発行:東北大学大学院国際文化研究科同窓会事務局 発行日:2004年1月1日
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【目次】 新会長の挨拶と理事の交代について/ 第3回同窓会総会と講演会のご案内/ 第2回同窓会総会と講演会のご報告 (金敬雄氏 講演要旨)//FONT><新着情報> 就職後の近況報告/ 国際文化研究科の21世紀COEプログラム「言語・認知総合科学戦略研究教育拠点」活動報告(I)/ 東北大学創立100周年記念事業について/ 会員名簿について(新会員名簿)/ 会費・寄付金の納入のお願い/ ご意見・ご希望・ご提案等を!




新会長の挨拶と理事の交代について
 平成15年4月より、東北大学大学院国際文化研究科同窓会会則により同窓会長に就任いたしました、国際文化研究科長の米山です。平成14年11月に国際文化研究科同窓会が設立されて以来1年が経過いたしました。その間に平成15年1月には「同窓会会報」第1号が発行され、同年3月26日には第2回の同窓会総会が開催されました。国際文化研究科同窓会の活動は、人の一生にたとえていえば、まだよちよち歩きを始めたばかりだということになろうかと思います。国際文化研究科同窓会が発足したのは、国際文化研究科が設立されて10周年という節目の年でしたが、私たちの同窓会が、研究科創立10周年記念行事の一環として誕生したことは意義あることだと考えます。しかしながら、国際文化研究科は他の歴史ある研究科に比べますと全国に散った同窓生もまだ数少なく、同窓会としましても出身母体である国際文化研究科に強力な支援をするほどの力をもってはおりません。当分のあいだは母体である国際文化研究科に支えられながら同窓会活動を維持していかなくてはならないと思われます。
 東北大学は2007年に創立100周年を迎えます。現在、東北大学全学同窓会や、すでに長い歴史をもつ各学部・研究科の同窓会が、百周年記念行事の準備のために、その原動力となって活動しております。また平成15年6月26日には東京の経団連会館で東北大学全学同窓会が主催してノーベル賞受賞者の田中耕一氏を講師に招き、東北大学講演会を開催し、大成功をおさめましたし、同年12月15日には大阪のホテルニューオータニで、21世紀COEに関連した東北大学講演会を開催するなど、東北大学の同窓会は全国的な活動を展開し、大きな社会的影響力をもっております。
 ご存じのように、平成16年4月1日からは、国立大学が法人化され、大学はこれまでとは異なって、外部資金の調達など独立した財政基盤を獲得するよう努力しなくてはなりません。このような状況のなかで、法人化後の大学と同窓会との関係は、これまでの関係とは異なったものになるものと予想されます。大学は外部資金を獲得するため、産業界や官界で活躍している有力な同窓生たちの協力を得て、民間との共同研究や産官学協同を推し進めていかなくてはなりません。その意味で大学にとって同窓会の占める位置は今後ますます重要になっていくのではないかと思われます。
 国立大学法人化という大学の激動の時代を迎えて、私たちの国際文化研究科同窓会が、近い将来、国際文化研究科の教育・研究にとって、資金的にも人的にも頼り甲斐のあるパートナーとなることを祈念して、就任の挨拶に代えさせていただきます。

          
会長:  米山 親能(国際文化研究科長)
副会長: 金 敬 雄(言語文化交流論講座・後期課程修了・福島大学助手)
     中村ちどり(異文化間教育論講座・後期課程修了・岩手大学助教授)
理事:  久能 隆博(ヨーロッパ文化論講座・前期課程修了・東北学院榴ヶ岡高校副校長)
     後藤 致人(アジア社会論講座・後期課程修了・岩手県立大学短期大学部講師)
     井川 眞砂(アメリカ研究講座・教授)
     布田  勉(ヨーロッパ文化論講座・教授)
監事:  千葉 正樹(アジア社会論講座・後期課程修了・東北大学付属図書館研究員)
     山口  登(言語機能論講座・教授)



第3回同窓会総会と講演会のご案内
第3回総会と同窓生による研究・就職講演会を次のとおり開催しますので奮ってご参加ください。
また、講演会に引き続き、国際文化研究科との共催により、平成15年度修了祝賀会が開催されます。


日時: 平成16年3月25日(木)15時15分〜16時45分
場所: マルチメディア教育研究棟6階大ホール
講師: 千葉 正樹(本研究科アジア社会論講座出身、東北大学附属図書館研究員)
演題: 「江戸は何を語るか:宮城学院女子大学国際文化学科の教育経験から」
注)時間・内容は変更される可能性があります。
後日、確定した時間・内容を同窓会ホームページにてお知らせしますのでご覧ください。


第2回同窓会総会と講演会のご報告 
 国際文化研究科同窓会の第2回総会は、平成15年3月25日、国際文化研究科平成14年度学位記伝達式の終了後2時50分より、国際文化研究科等大会議室において開催されました。
 司会は川平芳夫理事(言語生成論講座教授)が務め、まず最初に竹中興慈同窓会長から挨拶があったのち議事に入り、第1議案として、久能隆博理事(ヨーロッパ文化論講座前期課程修了・東北学院榴ヶ岡高校副校長)より、平成14年11月29日の本同窓会設立から3ヶ月余の間の活動報告が行われ、主な活動として、同窓会会報第1号の編集発行、第1回同窓会講演会の企画準備などについて説明報告がなされ、了承されました。
 次に第2議案として、黒木暁人理事(言語生成論講座前期課程院生)より、配布資料に基づいて会計経過報告が行われ了承されました。なお同理事より、正式には会計監査報告書を付して会計報告を行うべきところ、設立されて一会計年度を経ていないことから、今回は平成14年度の会計経過報告としてご了承いただき、次回総会において会計監査報告書を付した会計報告を行なっていただく形にさせていただきたい旨の説明があり了承されました。
 次に第3議案として、竹中会長より平成15年4月からの本同窓会の運営態勢について説明があり了承されました。この中で、平成15年4月1日に米山親能教授(言語機能論講座)が国際文化研究科長に就任されることから、規約により、4月からは米山教授が本同窓会会長に就任されることとなるため、これに時を合わせて理事会の構成もより活動しやすい形に調整していただくことになっている旨の説明があり了承されました。
 以上をもって第2回総会は閉会され、引き続き15時20分より同大会議室にて第1回同窓会講演会が開催されました。司会は佐藤滋理事(言語生成論講座教授)が務め、最初に講演者が紹介されました。講演者は福島大学助手金敬雄先生(言語文化交流論講座後期課程修了)で、『国立大学に勤めて6年〜中国の大学との比較を中心に〜』講演要旨という演題でご講演いただいたのち、聴衆との間で活発な質疑応答が行われて閉会となりました。[ 川平芳夫(平成14年度理事)]

<新着情報>
就職後の近況報告
鷲嶽 正道(言語機能論)
 平成14年度をもって言語機能論講座博士課程後期3年の課程を退学し、愛知学院大学短期大学部で専任講師として働かせていただいております、鷲嶽正道と申します。就職後のことを中心に、とのご依頼がありましたので、私の近況報告のようなものを含め、就職後の状況について書かせていただきます。
 私の勤務している短期大学部は、研究よりもむしろ教育に重点を置いています。したがって、教員の業務は主に教育活動となります。私は、現在のところ英会話、英文法、セミナーなど週に6コマの授業を担当しています。来年には大学の教養英語も担当することになりますので、計9コマになります。ただし、担当授業数は大学、学部、学科によって大分ばらつきがあるようです。空き時間はほとんど授業の準備に費やしています。自分の想定していた学生の学力と実際の学力、自分が想定していた学生の反応と実際の反応、学生の興味などを考慮しながら、毎回試行錯誤の連続です。上司の先生に相談したり、授業用のノートを作って研究したりしながら、学生の状態に合った授業ができるようにしています。学生の反応は恐ろしいほど正直で、手を抜いた授業をするとほとんど話を聞かずに無駄話をしたり携帯電話をいじったりします。逆に手応えのあった授業は実に爽快です。
 授業以外の業務ですと、主なものに各委員会があるのですが、私はまだ一年目ということで、委員会の仕事はいただいていません。しかしながら、教員には、私が想像していたよりも多岐にわたる業務がありました。私が受け持ったものですと、県内や近県の高校への訪問、オープンキャンパス、教育実習校訪問などがありました。これからのシーズンですと、入試に関わる業務が待っています。慣れていないということもあり、私にとっては、ひとつひとつの業務が大きなイベントで、入念な準備を必要とするものでした。
 その他の業務として、本学には「個別指導」があります。英検を受験したり、4年制大学への編入を希望したりしている学生に対して個別に指導を行うものです。学生の力を伸ばすだけではなく、学生と話をしたり、学生の能力を把握したりするいい機会だと自分では考えています。実際に、個別指導を受けている学生は授業に対する不満や要望、進路相談などを率直に言ってくれますので、私にとって個別指導は単なる指導以上の意義を持っています。なお、この個別指導を加えると、授業数は毎週10コマ程度になります。ピーク時には週に13コマだったこともありました。その時には、同時に他の仕事も抱えていたので、まさに目が回るような忙しさでした。
 その他諸々の雑務が、散発的に飛び込んできます。「はい」以外の返事をすると、まわりの方々が非常に困るので、返事は「はい」のみです。
 肝心の「研究者」としての活動ですが、実際のところ、ほとんどできていないのが実情です。比較的時間のある日の夜か、週末に時間を取って本や論文を読んでいますが、週末に仕事を持ち込むことも少なくなく、どうしても散在的になりがちです。論文の執筆のような作業は、授業のない夏季・冬季休業中に行うしかないようです。
 仕事ではストレスの溜まることも少なくありませんが、幸い同じキャンパスで活動している歯学部の柔道部に副師範として招いていただきましたので、ストレスはそちらの方で発散させてもらっています。週に2度から3度道場に出向き、指導に当たっておりますが、英語の指導とはまた違った充実感を味わっています。
 以上、とりとめがなくなりましたが、私の就職後の状況について書かせていただきました。試行錯誤の連続ですが、それだけ充実した毎日を送っております。


国際文化研究科の21世紀COEプログラム「言語・認知総合科学戦略研究教育拠点」活動報告(I) 
 本研究科の言語科学を専攻する講座が主体となっている東北大学21世紀COEプログラム(人文科学)「言語・認知総合科学戦略研究教育拠点」は、採択より1年を迎えました。
 本拠点では、東北地方の国立大学として初めて、研究専用の機能的核磁気共鳴画像装置(fMRI)関連写真を7月末に川北合同研究棟1階に設置、10月より本格的に稼動し、実験を開始いたしました。これと並行して、韓国の高麗大学やドイツのマックスプランク発達人類学研究所、オランダのマックスプランク心理言語学研究所などをはじめとする海外の研究機関との研究交流を開始し、共同研究の可能性を探っております。
 こうして新しい研究を推進する傍ら、拠点の研究内容と密接に関連する研究内容を参加教官の指導のもとに行う7名のCOE研究員(フェロー)を採用し、12名の優秀な博士課程の学生をリサーチアシスタント(RA)として採用いたしました。同時に、拠点メンバーである各研究科教官が指導する博士課程学生を他研究科の拠点メンバーの研究室に送り、集中的に異分野の研究手法を見につけさせる相互研修制度(「ローテート研修制度」)を実施し、次世代を担う研究者の育成にも積極的に取り組んでおります。
 このような研究教育活動に加えて、当拠点では、拠点の研究内容や社会貢献の一端を学内外の研究者のみならず一般の方々にも広く知っていただくための様々な試みを行っております。
平成15年3月14日(土)には、拠点の開所を記念して、仙台国際ホテルにて、失語症の臨床研究に基づく言語・認知総合科学の先駆者である、医学系研究科教授山鳥重先生(当時)を講師に招いて「ことばを創る脳」と題する特別講演をいただきました。この他にもこれまで6回にわたって言語・認知に関わる最先端研究の公開講演を行いました。
 また、平成15年5月25日(日)には、仙台国際センターにおいて第1回「言語・脳・認知」国際学術フォーラム「「言語・脳・認知」科学の最前線」を企画し、言語科学、霊長類学、脳コンピューティング学、ロボット工学の分野で国際的に活躍されている第一線研究者の方々による公開講演、討議を行いました。引き続き10月12日(日)には、fMRI設置を記念して、本学川内北キャンパスマルチメディア教育研究棟2階ホールにおいて、第2回「言語・脳・認知」国際学術フォーラム「脳機能画像・失語症・計算論的モデル」を企画し、脳機能イメージング学、高次機能障害学、計算論的神経科学、神経心理学の最先端研究者による公開講演、討議を開催いたしました。
 これらの拠点の活動は、拠点ホームページ(http://www.lbc21.jp/)において公開されております。
 今後は、来る中間評価を見据えて、外部評価報告書の作成、講演会、フォーラムに基づく論文集の出版、拠点ホームページの充実等を図り、拠点の成果発表を行うと同時に、外国語教育、言語障害のリハビリを含めた、拠点の研究成果の社会への還元に努めて参ります。今後とも、みなさまの一層のご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。[ 堀江 薫(異文化間教育論講座・教授)]


東北大学創立100周年記念事業について
 
東北大学は、1907年(明治40年)に創立され、2007年(平成19年)をもって百周年を迎えます。創立百周年の記念事業として本学では「知を創出し、人を育てる、開かれた大学へ」というスローガンのもとに、次の4つの事業を計画しております。
 (1)「東北大学基金」の創設
 (2)「記念建造物」の建設
 (3)「百年史」の刊行
 (4)「催事」の実施
 これらの事業実現のために、募金目標額を50億円とし、現在、学内教職員、全同窓生の皆様方及び各企業等へご協力をお願いしているところです。
 また、記念事業推進のために、財団法人東北大学研究教育振興財団のもとに、「百周年記念事業推進実行委員会」を組織していただきました。この委員会は委員長を元本学総長の西澤潤一氏とし、同窓生を中心に、約五百名の方々から構成されております。
 つきましては、同窓生の皆様には、百周年記念事業についてご理解とご賛同を賜りますようお願いいたしますとともに、今後ともより一層のご支援のほどよろしくお願いいたします。

○百周年記念事業についての問合せ先
(1)記念事業について:東北大学事務局百周年記念事業室
 〒980−8577 仙台市青葉区片平二丁目1番1号
 TEL  022−217−5059
 FAX  022−217−5030
 Eメール anniv100@bureau.tohoku.ac.jp
(2)募金事業について:(財)東北大学研究教育振興財団
 〒980−0811 仙台市青葉区一番町4−4−28MUS仙台店3階
 TEL  022−225−1316
 FAX  022−225−2029
 Eメール tuf-anniv100@jasmine.ocn.ne.jp

おしらせ
○「東北大学百年史」の最初の1巻となる第4巻「部局史1」が刊行されました。購入を希望される場合には、「東北大学出版会」(TEL:022−214−2777)にお申込み願います。

会費・寄付金の納入のお願い
会則第11条、12条、付則第2項に基づき、次に該当する会員の皆様に会費等の納入をお願いいたします。
○平成15年4月入学、進学及び編入学者で未納の方
 (1) 国際文化研究科前期課程の学生:4,000円
 (2) 国際文化研究科後期課程の学生:6,000円
○上記以外の方(修了生、在学生、現教官・元教官等)は、入会金・会費とも免除となりますが、ご寄付という形でご支援をお願いいたします。
  1口 2.000円(何口でも結構です。)
会費・寄付金とも、最寄りの郵便局からお振り込みくださいますようお願いいたします。
 郵便振替口座名称: 国際文化研究科同窓会
 郵便振替口座番号: 02220-5-66621

ご意見・ご希望・ご提案等を!
 同窓会のこれからの事業について、ご意見・ご希望・ご提案等がございましたら、事務局までお知らせください。郵便または本会報題字欄に示してあるアドレス宛の電子メールでも結構です。(2003.12/26)



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