研究者紹介 石幡 直樹

イギリス・ロマン派詩人の自然観を探る

 

グローバル共生社会研究系

多文化共生論講座

石幡 直樹  教授 【 文学修士 】

― 研究の内容を教えてください。

イギリス・ロマン派詩人の作品に見られる自然観を読み取り、自然環境と人間の文学活動との関わりを解明しようとしています。そこには、現在の環境意識の源流のような考え方も見ることができるかもしれません。「エコロジー」は、「ジェンダー」、「階級」、「民族」などとともに現代の重要な思索のパラダイムのひとつとなっています。文学と環境との関連を探ることは、両者の解釈に新たな可能性を与えると考えています。

― その研究を始めたきっかけは何ですか。

個人的観照が出発点だった文学研究は理論化を模索し、文学(性)とは何か、なぜ同工異曲の物語を人は繰り返し求めるのかといった問題を提起してきました。文学は日常世界を新鮮に写し取る異化の作用を持つとか、伝承や神話は人間生活に通底する出来事を凝縮した物語の原型で、人はそこに精神浄化を求めるので物語行為は常に繰り返されるなどと言われています。そのあたりを確かめてみたいと思いました。

― はじめに研究者を目指そうと思ったきっかけはどのようなことですか。

イギリスの詩人ジョン・キーツの「秋に寄せて」を読んだとき、そこに描かれた穏やかな空気の流れる収穫の情景に心を打たれました。穀物の切り株の並ぶ畑には虫や燕の鳴き声が聞こえ、風がそよいでいます。一見目の前の風景を描いただけのようですが、よく読むとギリシャ時代の豊穣の女神などがひっそりとたたずんでいることが分かります。人間と自然の関係を短い詩で壮大に描く文学の力に興味を持ちました。

研究のキーワード

イギリス・ロマン派詩人、メアリ・ウルストンクラフト

主な著書・論文など

論文
“Politics of Education in Lyrical Ballads of 1798.”『試論』第30集: pp. 15–33. 「試論」英文学研究会, 1991.
共著
『つくられた自然』(岩波講座『文学』第7巻)岩波書店, 2003.
『ロマンティック・エコロジーをめぐって』英宝社, 2006.
翻訳
『ロマン派のエコロジー─ワーズワスと環境保護の伝統』(Jonathan Bate. Romantic Ecology—Wordsworth and the Environmental Tradition. Oxford: Oxford UP, 1991.) 松柏社, 2000.
『ウルストンクラフトの北欧からの手紙』(Mary Wollstonecraft. Letters Written during a Short Residence in Sweden, Norway, and Denmark. 1796.) 法政大学出版局, 2012.

東北大学研究者紹介

http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/c2ed2d3a7886a8d98ec113e2039b8d2c.html

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