研究者紹介 中村 渉

 

言語総合研究系

応用言語研究講座

中村 渉  准教授 【 Ph.D. (Linguistics) 】

― 研究の内容を教えてください。

機能主義的・認知主義的な言語理論を踏まえた、統語論、意味論に関する対照言語学的・言語類型論的研究に携わってきました。特に、統語的現象を意味論・語用論を用いて説明することに研究の中心がありますが、類型論的な視点からの(方言の意味論・統語論を含む)日本語文法、日本語の習得の研究にも興味があります。

― その研究を始めたきっかけは何ですか。

ことばに興味を持ったきっかけは大学入学直後に触れたフェルディナン・ド・ソシュールの思想、言葉による現実世界の分節の恣意性・無根拠性への驚きだったと思います。言語思想史、記号論、隠喩論、物語理論、ディスコース言語学と遍歴を続けていくうちに、気がついたら、言語学という領域にたどり着いていました。

― はじめに研究者を目指そうと思ったきっかけはどのようなことですか。

知的好奇心を満たしたいという思いがまずあったのですが、今、思うと、他人と関わる手段として研究者を目指したのだと思います。学会発表、論文発表も評価をしてくれる人がいて初めて意味があるものです。特に文系の研究者というと、閉ざされた世界で一人修行するという印象があるかもしれません(研究者として、博士論文執筆時などにそのような経験をすることも当然あります)が、実際にはそうではありません。

研究のキーワード

対照言語学、認知類型論、機能主義言語学、日本語文法、格

主な著書・論文など

著書
中村 渉・佐々木 冠・野瀬 昌彦. 刊行予定.『認知類型論』東京:くろしお出版.
Nakamura, Wataru, and Ritsuko Kikusawa (eds.) 2012. Objectivization and Subjectivization: A Typology of Voice Systems. (Senri Ethnological Studies), National Museum of Ethnology, Osaka, Japan.

Nakamura, Wataru (ed.) 2011. New Perspectives in Role and Reference Grammar. Newcastle upon Tyne: Cambridge Scholars Publishing.

論文
中村 渉. 2012.「「所有の属格」対「内包の属格」:類像性による動機づけ」『日本認知言語学会論文集』12, pp.202-210.

Chien, Hui-Wen, and Wataru Nakamura. 2010. “The Acquisition of Japanese Aspect Marker -te i-(ru) by Mandarin Chinese Speakers,” Studies in Language Sciences 9, pp.127-142.

Nakamura, Wataru. 2008. “Fluid Transitivity and Generalized Semantic Macroroles,” in Robert D. Van Valin, Jr. (ed.), Investigations in the Syntax-Semantics-Pragmatics Interface, pp.101-116, Amsterdam and Philadelphia: John Benjamins.

中村 渉. 2006.「日本語の助詞「ね」の機能と語用論的曖昧性」『語用論研究』8, pp.15-32.(日本語用論学会)

中村 渉.2004.「格システムと格融合の類型論―認知=機能主義的アプローチ」『認知言語学論考』4, pp.61-94.

Nakamura, Wataru. 2000. “Formalizing Functionalism: A Schematization-Based Linking Theory,” English Linguistics 17, pp.539-573. (日本英語学会)

Wataru Nakamura. 2000. “Psych Verbs and a Typology of Event Structure,” in Kan Sasaki and Ritsuko Kikusawa (eds.), Modern Approaches to Transitivity, pp.193-219, Tokyo: Kurosio.

Nakamura, Wataru. 1999. “Functional Optimality Theory: Evidence from Split Case Systems,” in Michael Darnell et al. (eds.) Functionalism and Formalism, Volume 2, pp.253-276, Amsterdam and Philadelphia; John Benjamins.

Wataru Nakamura. 1999. “An Optimality-Theoretic Account of the Japanese Case System,” Studies in Language 23, pp.607-660.

中村 渉. 1999.「非能格自動詞と日本語における使役化」『言語研究』116, pp.23-58(日本言語学会)

Nakamura, Wataru. 1997. “A Cognitive Approach to English Adverbs,” Linguistics 35, pp.247-287.

中村 渉. 1991.「<時空(クロノトポス)論>としての<対話>主義:バフチン理論の射程を求めて」『記号学研究』11, pp. 207-219. 東京:東海大学出版会

中村 渉. 1990.「<内なる外>または<外なる内>:ケネス・バークの弁証法的比喩論」『記号学研究』10, pp. 61-80. 東京:東海大学出版会.

東北大学研究者紹介

http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/7c3a1bf2552e1fe532b61ec4202b1e1e.html

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