研究者紹介 佐藤 勢紀子

様々な文化的背景を持つ学生とともに源氏を読み、語り合うことが研究の源泉です

 

地域文化研究系

国際日本研究講座

佐藤 勢紀子  教授 【 博士(文学) 】

― 研究の内容を教えてください。

二つの分野で研究を進めています。一つは中古・中世日本の思想史で、主に文学作品を対象として、仏教思想の面から研究しています。特に、『源氏物語』やその前後の物語に見られる宿業観、罪業観、霊魂観などについて考察しています。もう一つは日本語教育の分野で、近年取り組んでいる研究テーマは日本語による論文作成の指導法です。学術論文の構造分析を行ない、「サンプル論文」を活用した論文作成の教授法を開発しています。

― その研究を始めたきっかけは何ですか。

卒論のテーマは「女人往生」でした。長年の間研究対象としている『源氏物語』を本格的に読んだのはその後だったと思います。修士論文では『源氏物語』の時間意識を論じ、そこでこの物語にはまりました。中でも、年次交替表現の「年かへる」と「年かはる」が状況に応じて使い分けられていることに気づいたときは、強い衝撃を受けました。『源氏物語』で使われている表現には、その表現でなければならない必然性があるのです。自分の論文もそういうふうに書けたらと思っています。

― はじめに研究者を目指そうと思ったきっかけはどのようなことですか。

学部3年生のときに『日本後紀』を読む授業で「采女」をテーマにした期末レポートを書いて、厳しいことで定評があった担当教官から「優」をもらいました。その時の「謎解き」の過程のスリリングなまでの面白さが忘れられず、大学院に進んで研究を続けたいと思うようになりました。その後、博士課程進学の際の面接で「学問は孤独なものだよ」と言われたのが記憶に残っていますが、もともとマイペースな性格のせいか特に孤立感を感じることはなく、研究環境にも恵まれて現在に至っています。

研究のキーワード

『源氏物語』 宿世(すくせ) 方便 ジェンダー 論文の書き方 文語文読解教育

主な著書・論文など

『宿世の思想―源氏物語の女性たち―』ぺりかん社,1995

「不軽行はなぜ行なわれたか―宇治十帖に見る在家菩薩の思想―」『日本文学』57-5, 2008

『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』東京大学出版会,2009

(共著)
「学術論文の構造型とその分布―人文科学・社会科学・工学270論文を対象に―」『日本語教育』154, 2013 (共著)

「紫式部の別れの日―家集冒頭二首に詠まれた年時―」『日本文学』62-9, 2013

東北大学研究者紹介

http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/4bb95d46da790c3d9fa435ea65b70040.html

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