研究スタッフ紹介

池田 亮

 

グローバル共生社会研究系

国際政治経済論講座

教授
PhD in International History

― 研究の内容を教えてください。

 私は主にフランスの脱植民地化政策を研究しています。脱植民地化という現象は従来は帝国史研究の文脈で研究されてきましたが、私は国際政治史の観点から冷戦との相互作用に特に関心を持っています。従来の脱植民地化研究は、宗主国が植民地にどのような政策を実施し、最終的に独立させていったのかが主たる問題関心でしたが、脱植民地化は冷戦の最中に進行しました。その結果、脱植民地化に積極的なアメリカと、それに消極的な西欧の植民地宗主国は、同じ同盟に属しながらも時に深刻な対立関係に陥ります。二つの現象がどのような相互作用を持ったのか、脱植民地化研究と冷戦史研究の架橋を目指しています。また、冷戦は世界中すべての地域を網羅するものですので、アジアやヨーロッパなど幅広い分野に関心を持ちつつ研究を進めています。

― はじめに研究者を目指そうと思ったきっかけはどのようなことですか。

あまりに月並みですが、大学に入学したころにベルリンの壁の崩壊や冷戦の終焉といった歴史的な事象が起きたことかと思います。漠然とではありますが、なぜ人々の熱意がそのような現象を起こしたのか不思議に思い、興味を持ちました。

研究のキーワード

国際政治史、脱植民地化と冷戦、北アフリカと中東の国際関係、アジア・ヨーロッパ冷戦

主な著書・論文など

- ‘Tunisian Internal Autonomy and the Transformation of the French Colonial Empire’, The International Journal of Francophone Studies, vol.19, no.1 (March 2016). (Published in September 2016)

-  益田実・池田亮・青野利彦・齋藤嘉臣編著『冷戦史を問いなおす:「冷戦」と「非冷戦」の境界』(ミネルヴァ書房、2015年)

- The Imperialism of French Decolonisation: French Policy and Anglo-American Response in Tunisia and Morocco, 1950-1956 (Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2015)

-  『植民地独立の起源:フランスのチュニジア・モロッコ政策』(法政大学出版局、2013年)

- 「イギリスの対中東政策と対ソ脅威認識、1955-56-スエズ危機の前史として-」『一橋法学』第9巻 第1号(2010年3月)

- ‘The Paradox of Independence: the Maintenance of Influence and the French Decision to Transfer Power in Morocco’, The Journal of Imperial and Commonwealth History, vol.35, no.4, (December 2007)

- 「イギリスとスエズ戦争」『一橋論叢』第121巻第1号 (1999年)

東北大学研究者紹介

https://www.r-info.tohoku.ac.jp/ja/986583687fb07fe2c8da6c32bd920b1b.html

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