研究科長からのメッセージ

130409192421東北大学大学院国際文化研究科は、1990年代から顕著になり始めた情報手段や交通輸送手段の高度化とそれに伴う国際化の進展という時代の趨勢を背景に、1993年(平成5年)に国際地域文化論と国際文化交流論の2専攻からスタートしました。2001年(平成13年)には国際文化言語論専攻を加え、3専攻からなる学部をもたない独立研究科として、着実に教育研究を積み重ね、国際舞台で活躍する有為な人材を多数輩出してきました。「国際文化」というユニークな学位の授与累計数で言えば、2014年度までに修士号781件、博士号173件を数えています(他に「学術」が修士号で1件、博士号で2件)。
 しかし他方で、創設から20年以上が経過し、本研究科を取り巻く時代状況や国際文化研究のあり方にも大きな変化が生じるようになりました。グローバリゼーションの流れは、否応なく進行し、一方で地域の在来文化との摩擦・交差・融合といった種々の文化接触を引き起こし、もう一方では政治経済はもとより、地球環境やエネルギー資源などの分野でもグローバルに解決しなければならないような諸問題(グローバル・イシュー)を人類に突きつける状況になっています。こうした流れに対応して、国際文化研究のあり方も、国と国との関係たる国際関係における文化的ファクターという視点のみならず、国をやすやすと超える個人や集団と、それらが国際社会や地域社会とどう調和・共生してゆくのかという問題にも焦点を当てる必要に迫られています。
 このような変化に応えるべく、2015年度(平成27年度)より、国際文化研究科は、従来の理念や目的を継承しつつも、現代的な課題に取り組むべき基盤的な能力、すなわち①自文化をも相対化できる深い異文化理解、②グローバルな諸問題に係る解決能力とリーダーシップ、③高度なコミュニケーション能力の涵養を図り、その基礎の上により高度な専門的知見と能力を培うことを目標に、スタッフの緊密な連携が可能となる国際文化研究専攻という1専攻の下、①地域文化研究系、②グローバル共生社会研究系、③言語総合研究系という3つの教育プログラムの単位を組み込んだ教育研究体制へと改編することになりました。
 国際文化研究専攻は、国際的な視野に立った日本と世界の多様な地域文化、グローバルに解決を迫られる諸問題と人類が共生・共存しうる持続可能な社会、及び地域やグローバル社会を基層で支える言語を主な対象とし、既存の学問領域の枠組みを越えた学際的で総合的なアプローチによって国際文化に係る教育研究を推進します。また、それらを通して、豊かな教養と国際感覚を兼備し、グローバルに思考し活躍できる能力をもった専門職業人及び高度な専門知識と研究能力を備えた専門家の育成を目指しています。
 既成の学問的枠組みでは、捉えられない、捉えきれない課題に、多角的な視野から挑戦してみようという方、総合する力・俯瞰する力を身につけつつ、その上に専門能力を鍛えたいという方、そしてグローバルな場面で仕事をし、研究をしたいと考える方―国際文化研究科はそうした意欲的な方々をサポートし育むことのできる最適の環境を提供します。

東北大学大学院国際文化研究科長
黒田 卓

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