「頭がよい」って何だろう? −知能を測ることは果たして可能か

植島啓司 ( 宗教人類学者・人間総合科学大学教授 )


【主な著書】
単著に『宗教学講義』(筑摩書房)、『男が女になる病気』(朝日出版社)、『分裂病者のダンスパーティー』(リブロポート)、『オデッサの誘惑』(集英社)、『天使のささやき』(人文書院)、『快楽は悪か』(朝日新聞社)、『聖地の想像力』(集英社)、『天才とバカの境い目』(別冊宝島)など。共著に、『アジア古都物語カトマンズ』(共著、 NHK 出版)、『快感のプラクシス』(共著、平凡社)、『ディスコミュニケーション』(共著、リブロポート)ほか。その他、訳書多数。

【講演要旨】
これまで知能指数( IQ )については、さまざまな批判が行われてきましたが、中でも J. ピアジェの『実在を測定する代わりに潜在的なものを判定しなければなりません』という視点にずっと注目してきました。ただ、批判するのは簡単ですが、別の指数を考えることができないかどうか。皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

【講師からのメッセージ】
いったい<頭がいい>とか<頭が悪い>とかって、どういうことなんだろう。なんとなくわかっていても、あらためて<頭がいい><悪い>を計測するとなると、いろいろ問題があってやっかいなことになりそうだ。また、たとえ<頭がいい>からって、それがイコール勉強 が できるとか偏差値が高いとかではないことは、今では誰もが知っている。では、その基準はどこにあるのだろう。(『<頭がよい>って何だろう』7頁より抜粋