第2回 東北大学国際文化学会
2005年度講演会
平成17年11月9日(水)13時00分〜14時40分
川内合同棟1F 応接室(101室)にて
- 演題
- 「異文化接触を通しての自文化の再認識
—ベトナム語から見た日本語表現のおもしろさとむずかしさを中心に—」 - 講師
- レー・バン・クー(村上雄太郎)氏
茨城大学工学部共通講座(助教授)
<講演要旨>
1. 漢字は民族固有の文字であるが、隣接の諸国すなわち日本、朝鮮、ベトナム(越南)にも輸入されて、これらの国に根を下ろした。ベトナム語 は、現在ローマ字表記になっているが、使用されている語彙のうち、少なくとも6割は、この漢字(漢語)から来たものと言われる。このような言語・文化を背 景に育った私にとっては、日本語の学習・研究は、単なる外国文化との接触や理解だけでなく、いわば、この「異文化」との接触をきっかけに、自らの文化への 理解を深め、それを再認識する機会でもあったのである。
2.ただ、ともに「漢字文化圏」にあるからといって、お互いの言葉の勉強が簡単になるというわけではない。視点と言語表現との関係など、日本とベトナム語 の間の相違点が少なくない。これらの点を中心に、これからも、日本語の勉強や研究を続けていくつもりである。
(レー・バン・クー氏)
(会場の様子)