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研究目的

欧米で「日本学」と言われる分野は、特に20世紀の冷戦下における戦略的意義によって独自の分野として確立されてきた経緯があるが、欧米の研究では、日本は常に「他者」として捉えられ、その見方は日本国内の「国史学」や「国文学」で展開される「自国」の研究とは対照的であった。そのため、欧米を中心とした「日本学」と日本国内での「国文学」「国史学」「国語学」等との学問的な交流は必ずしも円滑に進められてきたわけでない。すなわち、エキゾティックな「他者」として日本人を観るような欧米の「日本学者」と、「ナショナル」な歴史や文学として日本列島の事象を考える日本の研究者の意識の間には大きな隔たりがあったのである。しかし近年、国内の学界で「ナショナル」な事業としての「国史学」や「国文学」をめぐる批判が顕著となり、欧米の「日本学者」も、自分野における西洋中心的な過去を反省するようになった。このような状況を踏まえ、従来のディシプリンに閉じこもることなく、国内外の研究者たちと開かれた学問的対話を活発に行うことによって、日本学の学際的で開かれたアプローチを新たに創出することが、本事業における最重要の課題である。

ことにアジア・ヨーロッパ地域でのまだ日本研究が進展していない地域との連携を試みることや、次世代の研究者たちとのネットワークを図ることで、地域的にも、人的ネットワークという面においても、未知の可能性に向けて「日本学」の地平を広げていくこと、東北大学からのグローバルな発信を試みて行くことを目指したい。