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国際文化研究科・帯広市図書館共催の市民講演会を開催

10月11日(祝)東北大学国際文化研究科・帯広市図書館共催の国民読書年記念行事・帯広市民講演会が帯広市図書館多目的視聴覚室で開催された。

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講師はアジア文化論講座の勝山稔准教授、講演題目は「魯迅と彼が慕った名もなき日本人――仙台での出来事を中心に――」である。講演は、魯迅(周樹人)の仙台留学時代を中心に、魯迅と彼の恩師となる藤野厳九郎との交流や魯迅が医学を棄てて文学を志した経緯を詳しく紹介したほか、更に魯迅と藤野先生のその後の人生についても言及した。特に晩年の藤野先生や、魯迅が死ぬまで藤野先生の消息を知りたがっていたエピソードなど、今まであまり言及されていない内容についても踏み込み、偉大とよばれた両者の晩年の心情にまで分析を試みた。

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また当日は、講師が仙台・東京・福井・紹興・北京・上海各地で直接撮影した魯迅や藤野先生ゆかりの場所(魯迅の下宿跡・階段教室・弘文学院跡・魯迅生家・魯迅故居・魯迅講演・魯迅墓・藤野医院跡)の写真や、藤野先生が朱筆した魯迅の解剖学ノートなどの展示や、その他魯迅を紹介する映像資料なども交えての講演となった。

当日は三連休の最終日で、しかも帯広は雲一つない「絶好の行楽日和」となり、会場スタッフは講演に来られる方が減るのではないかと心配したが、その日は会場に63名の参加者があり、座席が足りなくなる程であった。

また参加者の反応も非常に良く、中には東北大学OBのご高齢の参加者が、当時の片平キャンパスについて補足説明をしていただいたほか、講演終了後に図書館では「魯迅関係の書籍」の貸し出しが相次ぐなど、講演から魯迅に関心を抱いた参加者も多かったほか、後日講演を聴講された方からのメールが講師に複数届くなど、大きな反響があった。

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また今回は国際文化研究科と帯広市図書館の共催という形で開催されたが、市民セミナーの広報活動や実際の会場運営の殆どは帯広市図書館のスタッフによって行われた。中でも帯広市図書館の吉田真弓館長と久保下氏には企画や日程の調整から、当日の司会まで色々と協力いただいた。また講演会では、国際文化研究科(アジア文化論)出身の帯広市職員・本郷泰典氏に講演の助手として協力頂いた。講演会が成功裏に終えることが出来たのは、三氏の献身的な努力による所が大きい。特に記して謝意を表したい。

(文責・勝山 稔)

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