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落合明子( Akiko
Ochiai )
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研究分野について(アメリカ黒人史・文化史) アメリカ黒人史・文化史を専攻していますが、南北戦争(1861〜65年)からその後に続いた再建期(1865〜77年)の黒人の動向を、彼らの土地獲得運動を中心に研究を行ってきました。南北戦争という激動の時代に400万人にも及んだ黒人奴隷は積極的に関与し、土地獲得を「自由」の要と考え、血のにじむような努力をしました。しかしながら、再建期の政策は解放奴隷の経済的自立を支援するまでには至らず、結局彼らの大多数は土地を手に入れられませんでした。その結果、一世紀以上の蓄積がある南北戦争・再建期の研究において、黒人が積極的に関与した事実は長い間無視或いは軽視されてきました。彼らの視点を取り入れ南北戦争・再建期という時代全体を捉えなおす研究が本格的に始まったのは1980年代以降のことで、詳細な事例研究は今まさに行われているところです。私の研究もこのような最近の動向に沿うものであり、解放奴隷が土地を通じて獲得しようとした「自由」とは何か、サウスカロライナ州の海岸部に焦点を当てて検討してきました。 最近では、このような南北戦争・再建期を中心とした黒人の動向を、後世の人々や国家がどのように記憶しているのかという課題にも取り組んでいます。この「記憶」には、教科書における記述から、映画における描写、議会での法案審議など様々な分野に及びますが、特に歴史博物館はどのような政治的な状況の中で設立されてきたのか、そして展示や教育プログラムではどのように黒人の歴史が表象されているのか、その裏にはどのような政治・文化的な背景があるのかなどを、具体的な博物館建設の事例を取り上げて考察しています。 また、黒人史や黒人研究という学問分野の発展についても興味を持つようになり、調査しています。具体的には、1)19世紀末から本格的に始まった黒人史が、様々な影響を受けつつどのように発展してきたのか、2)公民権運動、ブラック・パワー、学生運動の最中にあった1960年代末にアメリカ各地の大学でどのような経緯を経て黒人研究の学部が新設されたのか、それらの学部はその後どのように運営され評価を受けているのか、などを今後研究してゆきたいと考えています。 |
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プロフィール 「職 歴」 |
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Sunset on the 研究業績一覧 1 Harvesting Freedom: African American Agrarianism in Civil War Era
South Carolina. 2 明石紀雄監修,赤尾千波,大類久恵,小塩和人,落合明子,川島浩平,高野泰編著『21世紀アメリカ社会を知るための67章』明石書店,2002年9月. 2.共著 1 「南部の再建と暴力―サウスカロライナ州における『秩序の回復』―」、古矢旬・山田史郎編著『権力と暴力』(シリーズ・アメリカ研究の越境,第二巻),ミネルヴァ書房,2007年6月,109-30頁. 3. 主要学術論文 1「アイダ・B・ウェルズと世紀転換期における反リンチ運動の展開―特にアジテーターとしての地位を確立する初期の活 動を中心に―」『史境』第23号,1991年10月,1-18頁. 2 “A Black Woman’s
Struggle against Slavery: Harriet Jacobs’ Incidents
in the Life of a Slave Girl: Written by Herself.”『欧米文化研究』第7号,1991年10月,64-83頁. 3 “Ida B. Wells and Her
Crusade for Justice: An African American Woman's Testimonial Autobiography.” Soundings, 75:2-3 (Summer/Fall, 1992):
365-81. 4「黒人女性のウーマニスト・コンシャスネス―アイダ・B・ウェルズを中心に―」『黒人研究』第62号,1992年10月,13-17頁. 5「アイダ・B・ウェルズと世紀転換期における反リンチ運動の展開―後期の活動とグループ・ポリティクスの成立を中心に―」『史境』第27号,1993年9月,14-28頁. 6 “Community, Family,
and Self: Dichotomous Psychological Development of African American Girls in The Bluest Eye.”『欧米文化研究』第9号,1993年10月,24-39頁. 7「黒人民衆の伝統とその発展性―『ジェーン・ピットマンの自伝』に見られるトリックスター的要素を中心に―」神戸商科大学『人文論集』第30巻第1-2号,1994年10月,25-41頁. 8「自立を夢見て―再建初期のアフリカン・アメリカン・アグレーリアニズムに関する一考察―」『西洋史学』第178号,1995年9月,33-44頁. 9「対立と不調和の中で―アーネスト・ゲインズの『死を前に』―」神戸商科大学『人文論集』第31巻第2号,1995年12月,113-130頁. 10 “Driving Themselves:
The Background of the Lowcountry African American
Agrarian Movement.” Working Paper (Kobe Univ. of Commerce), No. 156
(Jan. 1996). 11 “African American
Agrarianism in the Sea Islands during the Early Reconstruction: (1) The Port
Royal Experiment.” 神戸商科大学『人文論集』第32巻第2号,1996年12月,197-248頁. 12 “Reconstruction
Historiography and African American Agrarianism in Lowcountry
South Carolina.” 上智大学『アメリカ・カナダ研究』第14号,1997年3月, 93-109頁. 13 “So Far Apart:
African American Men in A Lesson before Dying.” The Griot, 16:1 (Spring, 1997): 39-47. 14 “African American
Agrarianism in the Sea Islands during the Early Reconstruction: (2) Land
Sales and Preemption Rights.” 神戸商科大学『人文論集』第33巻第4号,1998年3月,535-604頁. 15 “African American
Agrarianism in the Sea Islands during the Early Reconstruction: (3) The
Promise of the Sherman Reservation.” 神戸商科大学『人文論集』第34巻第1-2号,1998年12月,213-62頁. 16「ポートロイヤル・エクスペリメント再考―北部白人の再建ヴィジョンと土地論争―」『アメリカ史評論』,第17号,1999年10月,1-21頁. 17 “African American
Politicization in Reconstruction South Carolina.” 筑波大学『地域研究』第18号,2000年3月,51-69頁. 18 “The Port Royal
Experiment Revisited: Northern Visions of Reconstruction and the Land
Question.” New England Quarterly, 74:1 (Spring, 2001): 94-117. 19「2000年度普通演習の記録と分析―落合ゼミの1年―」神戸商科大学『人文論集』第37巻第4号,2002年3月,313-69頁. 20「最近の再建期研究―フォーナーの『再建』以降の動向を中心に―」『アメリカ史研究』第25号,2002年7月,15-23頁. 21「日本における『ちびくろサンボ』論争の展開―英米との比較から探る人種問題と日本人―」神戸商科大学『人文論集』第39巻第3-4号,2004年3
月,117-48頁. 22「人種と記憶―『記憶の場』としての映画『グローリー』―」『アメリカ社会における「白人性」成立の学際的総合研究(平成13〜15年度科学研究費補助金・基盤研究(C)
(2) 研究成果報告書)』,2004年3月,67-86頁. 23「アメリカ合衆国再建期の暴力研究の新動向―『人種・階級・ジェンダー』の垣根を越える模索―」『津田塾大学言語文化研究所報』第21号,2006年7月,30-40頁. 24 「『黒人物語』を語る場を求めて―国立博物館の建設地をめぐる記憶のポリティクス―」『国際文化研究科論集』(東北大学大学院国際文化研究科)第17号,2010年3月,15-29頁. 4. 翻訳・辞書・事典類 翻訳 1 ベンジャミン・クォールズ著,明石紀雄、岩本裕子、落合明子訳『アメリカ黒人の歴史』明石書店,1994年5月. 2 ジョン・ホープ・フランクリン、オーガスト・マイヤー編著、大類久恵、落合明子訳『20世紀のアメリカ黒人指導者』明石書店,2005年4月. 4 デイヴィッド・R・ローディガー著、小原豊志、竹中興慈、井川眞砂、落合明子訳『アメリカにおける白人意識の構築―労働者階級の形成と人種』明石書店,2006年8月. 5 アイラ・バーリン著,落合明子,小原豊志,大類久恵訳『アメリカの奴隷制と黒人―五世代にわたる捕囚の歴史―』明石書店,2007年10月. 辞書・事典類 1 明石紀雄,川島浩平編著『現代アメリカ社会を知るための60章』明石書店,1998年11月,86-89,121-24,212-15,249-53頁(第19章「死ぬ権利」,第28章「ヘイトクライム」,第50章「ロサンゼルス暴動」,第60章「ベル曲線」を担当). 2 加藤恒彦,北島義信,山本伸編著『世界の黒人文学』鷹書房弓プレス,2000年4月,216-19頁(「アーネスト・ゲインズ」を担当). 3 松田素二その他編著『文化人類学事典』丸善,2009年1月,310-11頁(「『新世界』と奴隷」を担当). 5. その他 1「辻内鏡人著『アメリカの奴隷制と自由主義』」『アメリカ史評論』,第16号,1998年10月,32-39頁. 2「ウィリアム・S・マクフィーリー著,福本麻子訳『小さな島の大きな歴史--ジョージア州サペロ島』」『史境』第41号,2000年9月,90-97頁. 3. “Kwame
Anthony and Henry Louis Gates, Jr., eds., Africana:
The Encyclopedia of the African and American Experience, 2nd. edition,
Oxford University Press, 2005.” 『黒人研究』第75号,2006年3月,59-60頁. 4「樋口映美・中條献編『歴史のなかの「アメリカ」―国民化をめぐる語りと創造』『アメリカ史評論』第25号,2007年11月,65-71頁. |
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担当授業について(シラバス) (再)創造される「アメリカ」を探る(2) 【授業の目的と概要】 20世紀末に歴史学において国民国家論が興隆して以来、アメリカ合衆国についても様々な研究が発表されています。その結果、「アメリカ人」という国民意識は、どこで「国民」の線引きをするかという境界線の問題を内包しつつ、支配者側からの押し付け(「名付け行為」)と被支配者側の自発的な反応(「名乗り」行為)の呼応関係の中で創造され、修正され続けていることが明らかにされつつあります。また、歴史的な記憶の(再)構築が国民意識の形成と密接な関係にあることも指摘されています。昨年度は「名乗り」行為、すなわち「下からのアメリカ化」に注目しましたが、今年度は「国民」の境界線の問題および国民意識の形成と歴史的記憶の(再)構築との関係に注目し、様々な事例研究を検討します。 【学習の到達目標】 1)国民国家論研究の動向を把握し、基礎的な知識を習得する。 2)個々の事例研究に示された「国民」の境界線および国民意識の形成と歴史的記憶の(再)構築の関係を検討し、共通点・相違点を整理し、国民意識構築のメカニズムの一端を探る。 3)学習する事例研究の有効性や課題を自分なりに検討する。 【授業の内容・方法と進度予定】 まず、国民国家論研究と記憶研究の概説を読みます。次に、テキストを一章ずつ取り上げ、読み進めていきます。授業は主にレポーターによる発表形式で進めますが、報告後には討論の時間を多く設けます。また、学期末には課題に基づくレポートを提出してもらう予定です。 【成績評価方法】 授業中の報告や討論への参加とレポート(評価の比率は、報告が40パーセント、予習・討論参加が20パーセント、レポートが40パーセントの予定)。 【教科書・参考書】 ・金井光太朗編『アメリカの愛国心とアイデンティティ―自由の国の記憶・ジェンダー・人種―』彩流社、2009年 ・その他、プリントや参考図書は随時授業中に指示します。 過去のシラバス |
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アメリカ黒人史・文化史を志す人のための推薦図書 §通史・概説 ・ベンジャミン・クォールズ, 明石紀雄, 岩本裕子, 落合明子訳『アメリカ黒人の歴史』明石書店,
1994. ・ジョン・ホープ・フランクリン,オーガスト・マイヤー編著,大類久恵,落合明子訳『20世紀のアメリカ黒人指導者』明石書店,2005.4. §南北戦争・再建期 ・トーマス・L・ウェッバー, 西川進監訳, 竹中興慈訳『奴隷文化の誕生(もうひとつのアメリカ社会史)』新評論,
1988. ・辻内鏡人『アメリカの奴隷制と自由主義』東京大学出版会,
1997. ・ウィリアム・S・マクフィーリー, 福本麻子訳『小さな島の大きな歴史--ジョージア州サペロ島--』晶文社,
1991. |