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同窓会会長挨拶(平成21年4月1日)



17年目の国際文化研究科

 

国際文化研究科は、新たな節目を迎えようとしています。2009年度の組織改編によって、新講座が設立されると同時に教員の異動が実施され、2010年度からは新カリキュラムによる講義等が開始します。この改編は、学術分野や社会情勢の変化によりよく対応するための検討に基づくものであり、その骨子は、言語研究分野の整理・統合、環境科学分野の創設、そして教員の異動による現講座の強化という三点にあります。また、それと同時にこの改編は、研究科発足時以来さまざまな機会に意見が交わされてきた「国際文化研究とは何か」という問いをめぐる一つの歩みでもあります。

2009年度は、本研究科の設立17年目にあたります。人に譬えて言えば、青春真っ只中の17歳であり、それは若者の熱気と大人の熟慮の間に立つ迷いの時期でもあります。現実には、組織として迷い、立ち止まることは許されませんが、それでも将来に向けての意義ある熟考のために歩みを緩めて、おのれの足許と周囲を見直してみることも大切でしょう。実際、今般の組織改編はそのような省察の好機と言えます。もちろんこの改編によって、「国際文化研究とは何か」という問いに何か決定的な答えが出るということではありません。むしろ、組織が少しずつ姿形を変えることによって、新たな視点が生じ、問題へのアプローチの仕方が変わり、そこからより多様な答え方が浮かび上がるということでしょう。

折しも2009年度は、大学の法人化に伴って策定された第一期中期目標・中期計画(6カ年)実施の最後の年であり、目下2010年度から実施する第二期中期目標・中期計画の策定中です。東北大学全体の第二期中期目標・中期計画案に則って、教育、研究、社会貢献、国際化という4つの柱を中心に、本研究科独自の目標と計画を考案しているところです。そして、その基本的な姿勢のひとつが、「国際文化研究」のさらなる追究と発展を通して、国際文化研究科の特徴と意義を社会に向けてアピールすることなのです。

思えば前記の「国際文化研究とは何か」という問いは、個々人が「私とは誰か」と自分に向けて問い続けるのにも似て、本研究科が誕生と同時に背負い、今後も向き合っていく課題です。そう思って振り返ってみると、研究科発足4年後の1997年に第一期生たちを中心として、自発的に開催された国際文化研究を考えるシンポジウム「周縁からの文化発信」を皮切りとして、これまでの修了生たちによって創られてきた道程は、その一歩一歩が熟考と創意に満ちたアプローチのたまものだということに、あらためて気づかされます。その道程上に記された多様な足跡を同窓生の全員が共有しつつ、「国際文化研究」をキーワードに、一人ひとりがお互いを照らし合って自らの歩みを考える場を持つことができるのは、大きな意義のあることです。そのように、全ての同窓生がいつでも立ち寄ることのできる交流と親睦の拠点として、この同窓会がますます発展していくことを祈念して止みません。


東北大学大学院国際文化研究科同窓会

会長 小林 文生   


過去の会長挨拶:
 平成19年4月2日  平成18年3月1日  平成15年4月1日